41歳。
10年ぶりに復帰した、バスケット。
試合で数回コートを往復すると、ゼイゼイしている。
低空飛行でリバウンドを取って着地し、フリーでゴール下のシュートを打つ。
足が笑って、連続ジャンプができない……。
体が浮かず、イージーシュートを外す。
若者はキレのある動き。
ついていけない。
身長も高く、ジャンプされれば、遥か上。
呆然と見上げる。
さて、今の自分に何ができるか。
ドリブルで相手を抜くスピードなし。
急激な動きからのシュートは不可能。
スリーポイントシュートは届かない。
ディフェンスは立っているだけ。
絶望的なのだ。
いやいや、諦めない。
フリーの場所へ移動してパスをもらい、ミドルのジャンプシュートを決める。
フリーの味方へパスを出す。
見方をフリーにするため、壁になる。
コイツクタバッテルと思い込んで、油断している相手を、全力で抜いてレイアップシュート。
武器も体力も少ないが、チームに貢献できる。
小さな会社でも、考え方を変えれば、大きな会社に負けないのだ。
男、41歳。
若い頃、スピードと圧倒的な体力で蹴散らしてきたオジサンに、自分がなる。